長屋でも民泊の注意点
所謂長屋を利用して民泊を行う場合のよくある「落とし穴」は申請に必須な「消防法令適合通知書」が取得できないことです。
最近の事例は、大阪市で特区民泊をしようと計画している方からの相談です。
すでに他の方名義で特区民泊の認定を受け、営業していた物件を購入し、新しい名義での「消防法令適合通知書」の交付を申請したところ、「不交付」となり、結果として特区民泊の申請が出来なくなってしまったのです。
そもそも長屋に関する消防用設備については、一般的に長屋全体を一つの防火対象物と捉え、必要な消防用設備の設置が求められます。しかしそれでは民泊など住居を他の用途に変更する場合、長屋全体に必要な消防用設備の設置が必要なため、事実上不可能です。
そこで大阪市では、一定の条件を満たせば、住戸ごとにそれぞれ別の防火対象物とみなして「消防法令適合通知書」の交付が可能となるのです。
その条件とは以下の5点です。
(1) 所有権原又は管理権原は住戸ごとに分かれていること
(2) 同一棟内に階段、廊下等の共用部分を有しないものであること
(3) 各住戸は直接道路に面しており、避難上支障がないものであること
(4) 各住戸は開口部のない防火構造の界壁で区画されており、かつ、給水管、配水管及び換気、暖房又は冷房設備の風道が当該界壁を貫通していないものであること
(5)(長屋全体)の住宅の用途に供される部分の床面積の合計が、当該防火対象物の延べ面積の2分の1以上のものであること
ここは4軒の長屋で、以前に許可を取得していたときは他の3軒は住居であったために、「(5)(長屋全体)の住宅の用途に供される部分の床面積の合計が、当該防火対象物の延べ面積の2分の1以上のものであること」という条件を満たしていたのですが、この間に1戸の住居が飲食店に変わっていたため、この条件を満たさなくなっていたのです。
すでに民泊の許可が出ている物件でも、この点を注意して「許可物件だから安心」と思って購入すると、とんdめおない損害を蒙ってしまうのです。